2009年01月01日

4兆元(56兆円)の経済対策に効果はあるのか

●世界同時不況
「世界の工場である中国が大失速」など世界同時不況の影響は新興国に深刻な影響を与えています。アメリカ向けの輸出が激減し、企業倒産の急増したり、雇用悪化で社会不安が高まっています。世界の工場が集積する沿海部の経済成長は、急速に鈍化しています。北京、上海、広東などこれまで中国の経済成長を牽引してきた沿海部の工業付加価値は減速しています。

●4兆元(56兆円)の経済対策に効果はあるのか
中国の経済成長率は2007年第2四半期の12.6%でピークを打って、下落傾向にあります。原因としてはアメリカ発の金融危機の影響もありますが、中国政府によるインフレ抑制のための金融引き締めにによるところもあります。

リスク要因としては不動産価格の下落です。資産価格が大幅に下落すれば、消費マインドが冷え込む可能性もあります。そして、企業は業績悪化で人件費削減に走っています。雇用情勢悪化で社会不安も高まっています。失業者が未払い賃金の支払いを求めてデモや暴動が相次いでいます。社会不安は中国政府が最も恐れることです。

政府が発表した4兆元(56兆円)の景気対策は中国のGDPの16%に相当します。しかし、すぐには効果は表れないと思いますが、2009年後半から効果が表れてくると言われていますね。

2008年11月9日、中国共産党最高指導部である国務院常務会議は景気刺激策を発表し、内需拡大を狙った10項目の中身が明らかになった。キーワードは公共事業、弱者救済、金融緩和の3つです。

1. 低所得者層向けの低価格住宅の建設
2. 農村のインフラ建設
3. 鉄道、道路、空港など交通インフラ建設
4. 医療衛生、文化、教育事業の発展
5. 生態環境の建設
6. 産業構造の調整(ハイテク・サービス産業)
7. 四川大地震被災地の復興
8. 国民所得の引き上げ
9. 増値税改革(企業の税負担の軽減)
10. 金融緩和、融資の総量規制の撤廃

最も効果が期待される景気刺激策は「鉄道、道路、空港など交通インフラ建設」です。10項目の中で投資額が最大になることは確実です。

これまではインフレ抑制のために地方政府の投資案件が制限されていました。それが景気刺激策の大義名分を得て地方政府が堂々と公共事業を実施できます。しかし、日本の公共事業と同じように完成後に本当に雇用創出や経済効果が見込めるプロジェクトかどうかは不透明ですし、案件をめぐる官僚腐敗を懸念する声もあります。

「金融緩和、融資の総量規制の撤廃」については総量規制が撤廃され、中小企業向けの融資が増えると、低付加価値企業を延命させます。そのため、一時的に「産業構造の調整」が停滞する可能性があります。

●中国株の可能性
多くの新興国株が大底が見えない中、上昇の可能性があるのは中国株です。まず、GDPに対する個人消費が占める割合は先進国に比べてまだまだ低いので、まだまだ伸びる余地は大きいと言えます。また、中国政府は金融危機の発生後、わずか3ヶ月で4回の利下げを実施し、いち早く大規模な内需拡大策を実施したので、インフレが収まって新たな政策を打ち出しやすくなったということです。

株価が落ちたとはいえ、中国には世界有数の時価総額を誇る企業が多いです。ペトロチャイナをはじめ中国工商銀行、中国移動(チャイナモバイル)などが名を連ねます。再び景気が回復して外国人投資家が戻ってきたときには株価上昇も十分ありえます。

しかし、リスクもあります。外国人投資家が積極的に投資できない要素として同一株の株価が香港と中国本土で異なる「一物ニ価」問題があります。

もう1つの問題は「非流通株問題」です。中国の上場企業の株がすべて株式市場に上場しているわけではありません。7割に上る株式が政府部門によって保有され、市場に流通していない非流通株となっています。これまでは2005年から始まった非流通株改革で、非流通株の売買が制限される「ロックアップ期間」とされていたため、政府の株式放出で需給が緩むことがなかった。

今後はロックアップ解禁が進み、政府保有の株が徐々に市場に放出される可能性が高まっています。大幅に需給が緩むリスクが指摘されています。しかし、政府も分かっているのでなんらかの手を打つでしょうね。

dreamstock at 13:40 │Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ! 中国株 

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